書の教室 ごあいさつ

大崎から板橋へ

昭和57年、山手線「五反田駅」近くのワンルームマンションで書の教室を興したのが27歳、それから山手線「大崎駅」近くの小さな教室アイビルに移り、指導を続け早37年となりました。大崎駅周辺はその間、一大ビジネス街へと大きく変貌し、埼京線やりんかい線、湘南新宿ラインの起点駅として交通の便が大変良くなっております。当書道教室もシンクパークタワーのすぐ裏、芳水小学校近くに移り現在に至っております。また平成27年に板橋区栄町、都営三田線「板橋区役所前駅」と東武東上線「大山駅」近くに住居を移し、本部板橋教室として新しく教室を開設いたしました。

書の魅力は?

加藤有鄰 大人から子供までスマホやパソコンが使えるようになった今日、ペン字や筆字が苦手という方が増えております。たしかに情報を伝えるためだけならば活字で充分といえましょう。

このPC化の流れの中で逆に「書」が見直されていることも確かです。筆から生まれる書の線には感情やエネルギーを伝えることもできるのです。また美しく文章を書きたい手紙を書きたいと思う憧れが日本人の心の中にあるのでしょう。

この文字を大切にする。美しく書くということへの思いは必要が叫ばれ、現在小中学校での書写教育の強化の請願が全国の運動として行われております。

静かに紙に向かい、墨をすり、筆を持ち、半紙に下ろすときの心地よい緊張感は、普段の生活からは、なかなか得ることはできません。日常の中にそんな時を過ごされてはいかがですか。

書の線を鍛錬し、自在に筆を動かすことができるようになると、こんどは自分を表現することができます。感動した言葉を、好きな言葉を書いてみてください。自分のお部屋や、信愛する方のお部屋に飾っていただけたなら嬉しいことですね。現在は表装も大変おシャレになっており、インテリアの書としても楽しむことができます。

いつまでも元気です

指先に神経を集中するためか、また作品作りするときは全体を考えて構成するためか、書道をされる方は大概お元気で、しっかりとした受け答えをされる方が多いようです。“書は老成の芸術”といわれており、修練を重ね、年齢を重ねることにより、味わい深い作品を作ることができます。

若い人も

NHKドラマ「とめはねっ!」や映画「書道ガールズ」など、書道に感心が高まってきました。今書道は机に向かう静かなイメージからスポーツのように大きく体を動かしながら自分の感情を文字で表現するなど多様になってきました。パフォーマンス書道は邪道という意見もありますが、彼らの根底には地道な毎日の学習があることを見逃すことができません。世の中の変化と共に書道も変わって行くのでしょう。そして書道の奥底を見つめるとき、書の本質は線であることに気が付き、線の鍛錬の必要を感じるのだと思います。